お世話になっております。
日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 竹迫です。
今回のお題は・・・
知っていて損はない!撮像素子の種類とポイント
もうすぐ梅雨入りですね。最近はお休みの日に雨が多く、洗濯物に苦戦している竹迫です。
4月に新入社員となられたり部署移動があったりされた方々も、そろそろ生活に慣れた頃でしょうか。
体調崩しがちな時期ですので、くれぐれもご自愛ください。
また今回は最後に初心者向けセミナーのご案内をつけていますので、
この春から新しく撮像/画像処理に関わるようになった方はぜひ、セミナー情報チェックしてみてください。
今回のテーマは撮像素子。
今や当然となったデジタルカメラですが、その肝心要である撮像素子について、ご存じない方多いのでは?
CCD、CMOSなど種類を耳にしている方は多いでしょう。
そのあたりの違いを分かりやすく解説していきます。
これを知らなくてもカメラで画像は作れるし、検査に困ることはないかもしれませんが、
知っているとカメラの選定やちょっとした機能の使いこなしが楽になります。
知っていて損はない情報ですので、お付き合いいただければと思います!
目次
撮像素子の役割≠フィルムの役割
いきなりディープな小タイトルなのですが、
撮像素子ってフィルムカメラのフィルム部分と同じ役割よね~と思われている方!違いますよ!!!
完全に違うわけではないのですが、デジタルカメラではフィルムのカメラが担っていた役割を
たくさんの電子部品が分割して担当しています。
上記で、フィルムは全工程にわたって必要とされるのに対し、デジタルカメラ内の撮像素子は最初の段階「受光(感光)」でしか登場しないことがお分かりいただけたでしょうか。
撮像素子はデジタルカメラの心臓部ではありますが、フィルムの電子版というわけではありません。
光を電荷に変換するための機器ということをご理解いただければと思います。
そして電荷に変換してからはその他デジタル機器と同様、電気信号を処理していく流れとなります。
ではでは、光を電荷に変換する撮像素子の中はどうなっていて、何が起こっているのでしょうか。
撮像素子には画素1つにつき、フォトダイオードと呼ばれる受光部が1つ組み込まれています。
フォトダイオードはn型半導体とp型半導体を接合した半導体素子ですが、
受光した光の強さに応じた電流がn型からp型へ流れること(光電変換)で、電気信号が発生する仕組みとなっています。
ここでのポイントは、光は「粒」としての性質を持つことです。上の図で光子(フォトン)という言葉が出てきましたが、
撮像素子について考えるときは、通常「波」としてイメージする光を「粒」としてイメージしてください。
特定の物質が光の粒である光子を吸収して電子を放出することにより、電気信号が発生します。
これ以上は難しすぎるので割愛しますが、ご興味ある方は「光電効果」「光起電力効果」などで検索してみてください。
イメージサイズ/画素サイズと要注意ポイント
撮像素子を検討するときに見たいポイントは、イメージサイズと画素サイズです。
イメージサイズ(センサーサイズ)は撮像素子全体の大きさのこと、画素サイズはその中の1つの画素の大きさのことです。
画素サイズはそのまま、1つの画素の大きさのこと。
NEDのラインカメラだと、7μm×7μmが最も多いですが、それより大きいものも小さいものあります。
規格がないので、センサーメーカー次第です。
画素サイズが小さいほど、1つの撮像素子内にたくさんの画素を組み込むことができるので、高画質を実現できます。
イメージサイズは1型、2/3型、1/2型、1/3型で大きさを表し、型=インチのことなのですが・・・型=インチだったのは、昔々電子管(撮像管)を使用していた時のこと。
電子管1型に相当する能力を持つ固体撮像素子センサー(今回説明してきた撮像素子のこと)を1型と呼んでいます。
現在のイメージサイズに適合した数字ではないので、頭の片隅にお留め置きください。
ちなみに固体撮像素子センサーの1型は13.2mm×8.8mmです。インチ変換してもかすりもしないです・・・。
イメージサイズは何に影響するかというと、感度です。
デジタル画像は、高画質=高感度じゃないあたりが落とし穴です・・・が、考えてみれば普通のことです。
同じイメージサイズで、画素サイズの違う二つの撮像素子があり、同条件で撮像してみると想定してみましょう。
左を300万画素、右を600万画素とすると、右の1画素の面積は左の半分になりますから、
同光量だと1画素当たりで受光する光量は、単純に考えると半分になります。
すると、画素当たりの発生電流も当然弱くなり、結果として精彩に欠けた画像になってしまいます。
画素数は多ければ多いほどいいというものではなく、イメージサイズと画素数のバランスが重要なのです。
CCDとCMOSとは?それぞれの長所短所を解説
CCDとCMOS、名前は聞くけど、何が違うかはよく知らない。CMOSのがいいんだよね?という感覚の方、多いかと。
NEDではSUシリーズがCCD、それ以外のシリーズがCMOSのセンサーとなっています。
一言で何が違うかと言いますと、電荷の転送方法が違います。
CCDは各列ごとにバケツリレーのように電荷を集めてきて転送しますが、CMOSは一つ一つの画素ごとに集める方式。
転送方法だけと言いながら、こんなにいろんなところに差が出るんだねぇ・・・としみじみしちゃいます。
条件や撮影対象によっては一概にCMOSが絶対良いとは言い切れず、CCDは主流でなくなった今でも根強い需要のあるセンサーです。
ただかつてCMOSの弱点といわれていた感度や高画素化は、現在の技術ではほぼ解消されている上、主要センサーメーカーがCCDの生産中止を進めており、今後CCDは淘汰されていく流れは変わらないでしょう。
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【初心者必見】「カメラを使うと何ができる?産業用カメラの使い道!」
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◆ カメラの種類のご紹介
◆ 検査に使うカメラとは?
◆ 計測に使うカメラとは?
◆ 分別に使うカメラとは?
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主催:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 営業部
場所:オンラインセミナー(お申込みのお客様にURLをお送りいたします)
参加費:無料
対象:産業用カメラをお探しのお客様
画像処理業務を始めたばかりのお客様
NED 営業小ネタ
ラインセンサカメラってどんなの?
NEDで営業していると、新しいお客様のところでよく聞かれる質問です。
その辺でバンバン見かけるってカメラではないですからね。
気が付けばちょいちょい見かけるんですが、縁がなければ出会わないカメラではあります。
最近新規のお客様開拓を頑張っている営業Yさんの近頃の鉄板ネタは「競馬」だそうです。
競馬の着順判定に使われているカメラはラインセンサカメラなので、
あの判定写真撮るやつです!というと一発でわかってもらえるとか。
オリンピックの時期はスケートが良かったそう。
スポーツ関係も確かに使われていますね。
案外身近なところに潜んでいるラインスキャンカメラ、皆さんも見つけてみてくださいね♪