お世話になっております。
日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 竹迫です。
今回のお題は・・・
電子シャッターの種類
NEDは10月が期初となるので心機一転!という感じがする時期です。
1月期初の会社などはそろそろ12月の締めに向けて、大詰め作業を迎えられている感じでしょうか。
7月ごろから1月以降の来期で予算取りしたいので見積欲しいです!という連絡をちょくちょくいただいておりました。
昨今の半導体不足のため、3月までの納入をご希望される場合は、そろそろご発注いただかないといけない状況です。
3月締めの会社さん、今期の予算で・・・という場合は本当に大急ぎで、
1月始まりで、来期始まったらすぐほしい!という場合はそろそろ本格的に、ご発注のほうをお願いいたします。
ものによっては間に合わない場合もありますが、3月納入なら何とかなるかと思います!
今回のテーマは「シャッター」。
言葉を聞いたことがない方はいらっしゃらないでしょうが、あまり意識をしたこともないかと。
ラインカメラはシャッターという概念がないに等しいのですが、エリアカメラでは超重要ポイントです。
特に動いているものをエリアカメラで撮りたい場合!
ラインカメラのメーカーとしては動いていたらラインカメラにしてね、と言いたくなるのですが、
現実問題動いているものをエリアカメラで撮ることもそりゃありますよね。
最近のカメラは低速搬送なら十分対応可能です。
かといって、何も考えずに使えるわけではないので、そのあたりを抑えていきたいと思います。
目次
そもそもシャッターとは何を指す?
これがわからない!という方は多分いないと思いますが、英語のShutからきております、Shutterです。
つまり光を遮る、シャットアウトするということでございます。
カメラは撮像素子が光を受けることで画像を作るわけですが、その光を遮る役割のこと。
歴史的にはいろいろな変遷があるのですが、
現在はメカシャッターと呼ばれる機械的に幕を下ろす(大体は金属製)ものと
電子シャッターと呼ばれる撮像素子側で露光を終わらせるもの両方が使われています。
メカシャッター
電子シャッター
板を下ろして
光を遮る
画素ごとに
信号を流して
光を遮る
メカシャッターの種類
今日のテーマは電子シャッターなのですが、メカシャッターにも種類がたくさんありますので、軽く触れておきましょう。
基本的におうちで使うようなデジタルカメラについているのはメカシャッターの中のレンズシャッターと呼ばれるもの。
一眼レフのようなユーザがレンズを交換するものは、レンズシャッターだとレンズ交換時に受光してしまうため、
フォーカルプレーンシャッターと呼ばれるものが撮像素子の前についています。
どちらもイメージしやすいかと思います。
レンズシャッター
フォーカルプレーンシャッター
シャッターを押すと開いて露光する
シャッターを押すと
前幕が開き、露光開始
後幕が前幕を追うようにに動き、
後幕を引き終わると露光終了
動くものはグローバルシャッターで撮ろう
さて、今回の本題である電子シャッター。
産業用のエリアカメラでは必ず「電子シャッター方式」について言及があるかと思います。
ローリングシャッターorグローバルシャッターどちらかが書いてありますが、それぞれ何が違うのかといいますと…
ローリングシャッター
グローバルシャッター
1画素ごとに
信号を流して
光を遮る
全画素同時に
信号を流して
光を遮る
<画像出典:Lucid Vision Labs.>
ローリングシャッターでは露光時間が画素によって違ってくるため、
動いているものを撮影すると「コンニャク現象」と呼ばれる画像のゆがみが生じることがあります。
グローバルシャッターは全画素の露光時間が同じなので、そういった画像のゆがみは発生しません。
ただグローバルシャッターの画素のほうが回路が複雑で画素サイズが大きくなり、コストがかかります。
そのためまだまだローリングシャッターのものも少なくありません。
実際NEDが代理店を務めるLucid Vision Labs.社のカメラでも、ローリングシャッターのものがあります。
電子シャッター方式の
記載を確認してください
基本的には動いているものをエリアカメラで撮りたい場合はグローバルシャッターのものを選ぶ。
それがセオリーですが、最近の便利機能としてグローバルリセット機能があります。
たいていセンサー仕様の詳細に
記載されています
グローバルリセット機能とは、ローリングシャッターのセンサーで、グローバルシャッターと同じ露光状態にする機能のこと。
外部トリガーとメカシャッターを使って、露光時間が全画素で同じになるようにします。
その機能を使えばローリングシャッターのエリアカメラでも、動いているものを撮像することができます☆
外部トリガを入力
それまでに蓄電された
電荷をリセット
露光
メカシャッターで光を遮る
※電子シャッターは
ローリングシャッター方式
カメラに該当する機能があるかどうか確認したうえで、検討してみてください!
検査全体を最適化! NEDがご提案するトータルソリューションとは
今回取り扱ったようなカメラの細かい詳細機能まで活用して、検査全体をシステム化していくのは簡単なことではありません。
かといって、丸っとシステム化されたものを導入してうまくいくかというと、そうとも限らないのがつらいところ。
ということで、NEDではカメラメーカーならではの視点で全体をアレンジするトータルソリューションを提案しています。
そんなシステム全体をどう考えて構築していくかについて、11月から月1回セミナーでお話していきたいと思います。
詳細・お申し込みはイベントページからご確認いただきたいのですが、概要は下のようになっていますので、
ぜひチェックしていただきご参加ください♪
今すぐ進む!
検査自動化までの道のり
・検査の自動化って?
・自動化の工程を分解しよう
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・並列検査とは?
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・盲点はココ…ハードウェアの選定
・Q&A
今すぐ組める!
TechViewでの検査フロー
・オブジェクト指向とは?
・これがイチオシ!おすすめ機能
・実際にフローを組んでみよう
・Q&A
日程:11/17
13:30~14:30
日程:12/22
13:30~14:30
日程:1/26
13:30~14:30
日程:2/16
13:30~14:30
NED 営業小ネタ
今回期末のためにいろいろなデータをまとめていたのですが、ちょっと嬉しかったことが。
なんと昨年一年(2021年10月から2022年9月)で、このメルマガの登録者数が500人も増えていました!
当然ですが、NEDの事業に関連することを配信しておりますので、内容が偏りがち・・・つまらなくないかなぁ・・・
と心配していたのですが、ちゃんと人の役に立っているみたいで安心しました。
ちなみにお送りしているメルマガにそのまま返信していただくと、竹迫宛にメールが届きますので、
「メルマガでこんな内容を扱ってほしい」「セミナーでこういうことを解説してほしい」的なご要望は
思いついたらいつでもご返信ください。
これからもカメラや画像処理を扱うお客様の、ちょっとしたお悩みに答えていけるメルマガでありたいと思います。