いつもお世話になっております。
日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 営業企画室 竹迫です。
今回のお題は・・・
感度が高いってどういうこと?
高感度に求める内容を見極めよう
新入社員の方は、ご就職おめでとうございます。
この間新社会人の方にお会いする機会がありまして、初々しさにほっこりしたのですが、
コロナ禍で就活事情も大幅に変わり、ここ数年学生の皆様・人事の皆様は大変だったんでしょうね・・・。
今年度から対面研修が増える、なんて企業も多いのではないでしょうか。
新社会人生活、楽しんでもらえるといいな~と思っております。
さて、今回のテーマは高感度。
画像関連で勘違いが多い内容のトップ10を作ったら、絶対ランキングすると思う項目です。
画素サイズ、ゲイン、出力ビット数などなど、考え出すといろんな要素が複雑に絡みあう部分なので、
初心者には難しすぎて説明を省こうかなと思われ、
中級以上になると今さら何言ってんのという内容になってしまうようで、
なかなか詳しく教えてもらうことが少ないかもしれません。
そんな内容ですが、今回はできるだけシンプルに、細かい部分はそぎ落として解説していきます。
目次
そもそも感度って何?
感度って難しい言葉ですよね・・・。
なんとなく意味は分かるものの、じゃあ何?って聞かれたら説明できなくないですか。
ということで、NED簡単解説!
イメージセンサの感度とは・・・
光を電圧に変換するときの効率の良さ
を示す数値です。
「感度がよい」とは、いわゆる「コスパがよい」的な言葉に相当するものといえます。
感度がよくないカメラ
星の光は微弱なので
感度がよくないと
カメラセンサーで
受光できても
出力ができず
撮影できない
感度がよいカメラ
微弱な星の光でも
感度がよいと
受光でき
出力もできるので
撮影できる
少ない光の受光でもある程度の出力値があるセンサー=感度がよいセンサー、ということです。
星空を撮影するときを想像してもらうとわかりやすいです。
すごい星空!と思ってシャッターを切っても普通のカメラではおそらく真っ暗な画像になってしまうと思います。
高感度なセンサー搭載のものであれば、
遠い遠い星の光であってもセンサーからの出力があり画像ができる、という感じです。
ただ現状各センサメーカーによって測定方法が違うため、単位が違ったりして
一律で比較して検討することができません。
A社のセンサー
感度
100DN/nJ/cm2
単位が違うので
数字をそのまま
比較できない
B社のセンサー
感度
50e/lx・s
現在センサー感度を一律で表記しようという動きは業界としてあるのですが、
まだ日本・アジアでは検討段階で、メーカー記載が統一されるレベルには達していません。
「EMVA 1288」というヨーロッパの業界団体規格はありますが、
「感度」という言葉を正確に示すために項目を複数に分けて表現しているので、
A,Bどっちがよい!という結論は導きづらいかもしれないです・・・。
高感度なカメラを使いたい・・・そういうときはココを見る!
えー!じゃあ感度のいいセンサを選びたいときはどうすればいいわけ?という感じですよね。
実際のところはカメラの実測値で比較していただくのが一番です。
ただセンサーの能力値が全く同じだった場合、何が感度に効いてくるかと言いますと
「画素サイズ」になります。
センサーサイズは画素が集まったセンサー全体の大きさですが、画素サイズは1画素のみの大きさのこと。
3.5㎛×3.5㎛や、7×7、変わったものだと7×14なんていうのもあります。
1画素当たりの面積が大きいと
受光する光量が多くなり、
1画素当たりが放出できる電流が強くなる
1画素当たりの面積が小さいと
受光する光量が少なくなり、
1画素当たりが放出できる電流が弱くなる
なぜかは上の図の通り、非常に単純明快で、1つの画素の表面積が大きい方が受光する光量が多くなるから。
もし分解能やその他の条件でいくつかカメラが選択肢に残っている場合は
画素サイズが大きいものを選んだ方が感度がよく少ない光量でも画像化しやすくなります。
言葉通り素直にとらえると上記の通りなのですが、
「感度」自体が数字として比較できるものになっていないとお伝えした通り、
「感度を上げる」ことにより何をしたいのか、目的が違うとみるべきポイントが変わってきます。
次はその部分をポイント別に解説していきます。
感度を上げて何をしたいのか、目的を見極めよう
感度を上げて何をするか・・・それは検査の内容次第になってきますが、大まかに分けて2パターンございます。
弱いレベルの光を検知したい!というパターンと、弱い光から強い光まで幅広く撮影したいというパターンです。
今まで説明してきた「感度」は1つ目、弱いレベルの光を検知する場合です。
エリアカメラの場合は画素サイズが大きいものを選ぶ、それしかありませんが、
ラインカメラの場合はマルチラインもしくはTDIのセンサーを検討するのも一手です。
詳しくはこちら
をご覧ください。
同じ部分の出力電荷を増幅させてくれるので、弱い光でもしっかりとらえることができます。
あとはゲインでの調節も一つ大事なポイントかと思います。
ゲインはアナログゲインとデジタルゲインがあるのですが、
どちらも入射光量に対してどれくらいの出力強度にするかを調整するパラメータです。
アナログゲインは信号をデジタル化する前の増幅、デジタルゲインはデジタル化した後の増幅ですので、
アナログゲインで大まかな調整して、デジタルゲインで細かい調整を行ってください。
この調整をするとノイズも増幅されてしまうのがデメリットです。
感度を上げるとノイズも増えるというのがトレードオフになりますので、ご注意ください。
もう一つの弱い光から強い光まで幅広く撮影したいパターン。
これはいままで説明してきた「感度」とは若干違う意味合いになりますが、
弱い光に合わせると強い光の部分が撮影できない(白飛びしてしまう)
強い光に合わせると弱い光の部分が撮影できない(黒つぶれしてしまう)
ので、感度を上げたいとおっしゃっているお客様が、たまにいらっしゃいます。
それは感度を上げたセンサーを選ぶのではなく、ダイナミックレンジの広いセンサーを選ぶ必要があります。
普通のカメラ
ダイナミックレンジの広いカメラ
上の2つの写真、違い分かりますか?
間違い探しみたいになっていますが、背景部分を見てみてください。
トンネルの中から外を撮影しているのですが、
トンネルの外が明るすぎて、普通のカメラだと白飛びしてしまっていますね。
そこもきちんと写せる!というのがダイナミックレンジの広いカメラの特徴です。
NEDが紹介できるものですとこちら。
こういうイメージで感度がよい(広い)センサーが使いたい!と思われている方は「HDRカメラ」と検索してください。
ただ使い方が普通のカメラと違って難しいので、初期設定は事前相談必須です!
ぜひカメラ選定の段階から、ご相談いただければと思います。
パートナー企業も続々登壇♪ オンラインセミナー開催
NEDでは、月に1回のペースでオンラインセミナーを開催しています。
1つ目はTechViewハンズオンセミナー。
初級編は3月で終わってしまいましたが、4月の中級編からでも問題なく参加できます。
新入社員の方や、新しい配属の方の教育用にもお役立ちかと思います。ぜひご参加いただければと思います♪
【ハンズオンセミナー】
これからはプログラミングレス!
誰でも使える画像処理ツール
TechView(中級編)
・判定前の前処理
・マスク処理
・パラメータの切替
・出力ファイルの作成
対象:画像処理ソフトをお探しの方
TechView導入初期のお客様
日程:4/20 13:00~15:00
【ハンズオンセミナー】
これからはプログラミングレス!
誰でも使える画像処理ツール
TechView(上級編)
・スタティックサブセットについて
・共有バッファによるやり取りについて
・スタティックサブセット関連のノード
・パネルビューの使い方
対象:TechViewの現場運用検討中の方
日程:5/25 13:00~15:00
2つ目はLucid社登壇!
テーマは「マシンビジョンカメラの多様性と発展性」です。
昨年末にもたくさんの新製品をリリースしたLucid社から、特殊センサのカメラをご紹介いただける予定です。
最新の技術トレンドを確認しておきたい方はぜひご参加ください。
マシンビジョンカメラの多様性と発展性
◆ カメラインターフェイスの沿革/トレンド
・2.5GigEと周辺機器
・RDMA機能
・25GigEと周辺機器
◆ カメラインターフェイス以外のトレンド
・SWIR,UV,HDR,3D,EVS
対象:産業用カメラにご興味のあるお客様
日程:6/22 13:30~14:30
さらに、弊社TechViewとRAPID機械学習というAIで協業させていただいている日本電気様が登壇された
Webセミナー「AI外観検査特集2023Winter」が、現在動画配信中です。
検査自動化に必要な技術的ハードルや管理手法について、お話しされています。
ユースケースのご紹介もいただけますので、検査の自動化についてお悩みの方、イメージ全然わかない!という方は
ぜひご覧ください。
検査自動化は撮像・画像処理・AIを組み合せて
導入する技術が必要
~自動化に必要な要素技術、
統合管理、ユースケースをご紹介~
対象:画像検査・検査自動化にご興味のあるお客様
公開期間:2023/1/27~2023/12/31
NED 営業小ネタ
竹迫の家には小さい子供が2人おりますので、
家ではずっとNHK Eテレがバックで流れている感じなのですが、
この間面白い内容のものがやっていまして、思わずじっくり見入ってしまいました。
「大科学実験」という番組の実験66「人間巨大ビジョン」というやつです。
こちらのリンクから10分だけ視聴できます。
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005110352_00000
カラー画像の色はどうやって作り出されているのか、ということを検証してみた内容になっています。
番組内で、光の三原色を合わせれば白くなるはず!なのに・・・
という番狂わせがおきるのですが、実はこれ、NEDのホームページ見ればわかっちゃうな~と思ったのでした。
(一般的な内容なので、別にうちのホームページじゃなくても、検索すればわかるのですが。笑)
カラーカメラの素子ってどういう配列になっているっけ?ということですね。
エリアカメラやBayerラインカメラのカラー配列はとある色が多くなっています。
それはなぜかを考えると、なるほどね~と腹落ちすること間違いなしです。
ただ頭で理解しているのと、実際に目で見て体験するのでは、
納得度合いが段違いだろうなぁ~と思いますので、
ご興味ある方はぜひ上のリンクから動画見てみてください。面白いですよ♪