あけましておめでとうございます。日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 営業企画室 劉です。今回のお題は・・・ 色と光の表現について 最近Techviewで二値化処理、色判別をしてみて、人間の眼とカメラなどの「機械の眼」で見える色が違うということを実感しました。色と光についての知識は要素が多くて複雑ですが、色の属性含め、普段意識しないマシンビジョンにおける色の知識を、自分が理解できる範囲で紹介させていただきたいと思います。 CONTENT ① ヒューマンビジョン&マシンビジョン ② 色の三属性とは? ③ 輝度や照度とは? ④ カラーラインスキャンカメララインナップ ① ヒューマンビジョン&マシンビジョン 人間が肉眼で明るさや色を感知することを「ヒューマンビジョン」と呼びます。一方で、カメラや測定器などの機械の眼を介して認識するのは「マシンビジョン」と言います。日常生活での「明るい」や「赤い」「鮮やか」というのは人間の目を通して得られる「色」の感覚です。マシンビジョンの分野でも、「明るい」や「赤い」「鮮やか」などの表現が頻繁に使用されますが、人間の感覚とは必ずしも一致しないことがあります。科学技術の進展により、「光」の概念は元々の人間の感覚に限らず、人間の目には見えない範囲まで拡張されました。 人間の目で感じ取れる光は「可視光」のみですが、実際には「可視光」より短波長側や長波長側にも人間の目には見えない光(電磁波)が存在します。 電磁波は海の波と同じようにエネルギーが繰り返し振動しながら動いていて、波の性質を持っています。「光」も電磁波の一種です。 可視光の最短波長(360 ~ 400 nm)よりも短い波長の電磁波は「紫外」と呼ばれ、可視光の最長波長( 760 ~ 830 nm)よりも長い波長の電磁波は「赤外」と呼ばれています。紫外、可視、赤外の電磁波をまとめて広範囲の概念の「光」と呼ぶことになります。 人間の眼は可視光域の中でどの波長に対しても異なる感度を持っています。 ② 色の三属性とは? 光の三原色とは、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色のことです。カメラのカラーはRGBで表現可能で、1ピクセルごとにRGBそれぞれの強度で表現されています。 「やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへしは薄紅(うすくれない)の秋の実に人こひ初めしはじめなり」 上記は島崎藤村の名作「初恋」の一部です。この中に「薄紅」は鮮やかさを抑えた淡い赤みの色がイメージされますね。しかし、色は見る人によって異なるので、正確に伝えようと思うと色の三属性である色相、明度、彩度を使って曖昧さなく表現する必要があります。 Hue 色相とは赤、緑、青、黄、紫などといった色みを指します。色は光の波長の違いによって変化し、可視光を波長順に並べたものを「光のスペクトル」と呼んでます。数値は光の波長(単位=ナノメートル)です。また、色相を円状に並べ、体系化したものは色相環と呼ばれ、色相環の中で一番有名なのは「マンセル色相環」です。 Lightness 明度は色の明るさを指します。モノクロの場合、明度が高くなれば白に近づき、明度が低くなれば黒に近づきます。明度は色相によって異なり、光の反射率が高い色は明度が高く、反射率が低い色は明度が低いです。 Chroma 彩度は色の鮮やかさを指し、色みの量を決定します。色調ColorToneは明度と彩度から作られています。同じ赤でも深みのある濃い赤から、優しい薄い赤まで、さまざまな表現ができるのはこの2つの属性の掛け合わせによるものです。 ③輝度や照度とは? 照度と輝度はマシンビジョンを構成する機器選定においてよく使われる言葉ですが、それぞれ意味が全く違います。 照度:照明の明るさを評価する重要な指標 輝度:撮像した画像の明るさを評価する指標 実際に感じている「明るさ」に近いのは、照度分布ではなく、輝度分布 照度とは「一般的には単位面積に入ってくる光の量」と指しますが、輝度とは、「見ている人の目にどれだけ明るいと感じたか」と指します。照度の単位はLUX(ルクス)となり、光度÷距離で算出するので、距離が変わると同じ光源の照度は変化します。輝度単位はcd/m2(カンデラ毎平方メートル)で、視点、視線方向、反射率などに影響されるので簡単に計算できません。では、マシンビジョンを構成するにあたり、輝度を高く保つためにはどのようにしたらよいのでしょうか。ポイントを下記にまとめました。 ❶光源に集光照明を用いたり、照射方法を透過照明にするなど配光特性が非常に狭い ❷霧やもやなど、介在する媒質による光の吸収・散乱がない ❸顕微鏡など、照明との観察距離が近い ④カラーラインスキャンカメララインナップ デュアルライン 1K、2K、4K、8K ベイヤー配列でカラー画像を生成するコストパフォーマンスの良いカメラ。補間データで偽色を低減 スリーライン(3CMOS) 2K、4K、7K カラーフィルターでRGBに分光し3ラインで受光するコストと精度のバランスを考えたカメララインディレイ機能で位置ずれを調整 三板式 4K プリズムでRGBに分光し3つの撮像素子で受光する色再現性の高いカメラ 最新イベント★オンラインセミナー開催 1月スマート工場EXPO展示会はNEDも出展いたしますので、是非ご来場ください!また、オンラインセミナー3件「CMOSの多画素化・高速化によるカメラI/Fと多様化と集約―GigEビジョンの可能性とデータ信頼性」「検査自動化までの道のり~AI or 画像処理~」「検査を徹底効率化~並列検査×オブジェクト指向~」をご案内します。検査自動化や画像処理の知識を勉強している・・・そんな方はぜひご参加ください♪ くわしくはこちら → 【スマート工場EXPO 2024に出展】IoT/AI/FAによる製造革新展スマート工場・スマート物流を実現するためのIoTソリューション、AI、FA/ロボットなどの最新技術・ソリューションが一堂に出展する専門展。来場する製造業の製造・生産技術、工場・物流関係者と出展企業との商談・技術相談の場です。NEDも出展いたしますので、是非ご来場ください!場所:東京ビックサイト日程:1/24(水)~1/26(金) 10:00~17:00NED展示ブース:W68-34 くわしくはこちら お申込みはこちら 「コンピュータ技術の沿革とマシンビジョンカメラのトレンドの関係性-これからのマシンビジョンカメラの方向性~」・カメラインターフェイスの沿革/トレンド ▷2.5GigEと周辺機器 ▷RDMA機能 ▷25GigEと周辺機器・カメラインターフェイス以外のトレンド ▷SWIR,UV,HDR,3D,EVS対象:産業用カメラにご興味のあるお客様日程:2/1 (木) 13:30~14:30 お申込みはこちら 「検査自動化までの道のり~AI or 画像処理~」対象:検査自動化運用検討中の方日程:2/27 13:00~14:00 お申込みはこちら 「検査を徹底効率化~並列検査×オブジェクト指向~」対象:検査効率化の課題を検討中の方日程:3/28 13:00~14:00 お申込みはこちら NED 営業小ネタ 皆様、新年あけましておめでとうございます!営業企画部の劉と申します。新しい年がスタートしましたね。それにふさわしく、NEDは1月に東京でスマート工場EXPOに出展いたします。今年は工場自動化に手を付けたいとお考えの方は、ぜひ足をお運びいただければと思います。さて、劉はほぼ毎週1回、2回ぐらいバドミントンイベントに参加しています。主に体脂肪率を減らすのが目的ですが、一方で、サークルのメンバーたちといろいろなコミュニケーションをとるのが楽しみのひとつです。最近、そのサークルで不思議に思うことがありました。相手がシャトルを軽く打ったら、それが劉のおなかに当たりました。私は気にせずに大丈夫ですと答えたのですが、相手が急に土下座で「本当に申し訳ございません」と謝りだしました。中国で土下座は、浮気や借金などの重大な謝罪を行う場合にしか使わないのですが、日本では冗談に近いような気持ちで使われると知って本当にびっくりしました。両国の実際の風習文化には、差異がずいぶんあることを改めて感じました。在日外国人として日本文化をより深く理解していきたいと思います。今年は皆様にとって素晴らしい出来事が増えますよう、心からお祈り申し上げます!