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いつもお世話になっております。
日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 営業企画室 竹迫です。
今回のお題は・・・
手順教えます!ラインスキャンカメラの選び方
今年の冬は寒いですね!!!毎年こんなに寒かったでしょうか。
東京在住でこんなこと言っていては、豪雪地帯に住んでいる方に笑われてしまいそうですが、
とにかく寒くて毎朝子供を布団から引っ張り出すのが一苦労です・・・。
さて、今回はラインスキャンカメラの選定方法について。
NEDに入って数年、毎回これでいいのか・・・と思いながら選んでおりますが、
基本のキは身についてきたかなと思いますので、考え方をまとめてみたいと思います。
ただこれはあくまで最初の選定であって、この後評価していただいて、
あっちがいいこっちがいいと修正が加わっていくものである、ということをご理解いただいたうえで、
参考にしていただければ幸いです。
目次
まずは画素数!分解能を考えよう
画素数って大きければ大きいほどきれいに取れるんでしょ?と聞かれることもあるのですが、そういうわけではありません。
家電量販店で売っているカメラを買うならそれでいいんですけど、
NEDのお客様が検討しているのは産業用カメラなので、撮像対象も撮影環境も千差万別。
ということで、きちんと定義から考えていく必要があります。
まず覚えていただくべきはこちらの公式!
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ここでポイントとなるのが「画素分解能」という言葉。
これを理解できると、ラインスキャンカメラの選定はぐっと楽になります。
画素分解能は、1画素が担当する被写体の面積(視野の広さ)を示すのですが、
「検出したい一番小さい傷を、何分割して見たいか」を考えていただくのがよいかと思います。
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画素分解能1の場合
画素分解能3倍の場合
画素分解能5倍の場合

こんな感じで、検出できる精度の具合が変わってきます。
また大事なのは検出対象が画素をまたぐときの検討です。

画素分解能1の場合
画素分解能3倍の場合
画素分解能5倍の場合

検出できない
ぎりぎり検出できる
検出できる
NEDは画素分解能3倍から5倍を推奨しています。
大物検査の時は3倍、精密部品の検査の時は5倍といった具合です。
それ以上の分解能が必要な場合は視野幅を狭くする方が、コスト・性能両観点からよいのではないかと思います。
あとは視野幅と最小検出サイズを確認してもらえば、画素数はすぐ出てきます!
この感覚がわかってくると、画素数に関しては割とすぐ計算できるようになりますよ。
搬送速度はどれくらい?ラインレートをチェック
ラインスキャンカメラは、対象物かカメラが移動しないと画像が作れません。
その移動速度が画像作りの重要なファクターとなってきます。
上記にかかわるのがラインレートです。
ラインレートは1秒間に何ライン撮像できるかという数値を示していて、
速すぎるとデータが飛んでしまって画像が縮んでしまいますし、
遅すぎるとデータが重複して画像が延びてしまいます。
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1秒間に
撮影するライン数
=ラインレート

画像が縦に縮んでいるとき
=ラインレートが遅すぎる
画像が縦に伸びているとき
=ラインレートが速すぎる
ラインレートを計算する式は・・・

になります。
上記式で算出されたラインレートよりも、カメラスペック記載の数値が速ければ問題なく対応できます。
ちなみにラインレートを速くすると必然的に露光時間が短くなり、画像が暗くなるという関係もあるので、
速度を上げると照明その他光量に関する検討が必要になることを頭の片隅に置いておいてください。
インターフェース、忘れちゃいけません
そして意外となんでもいいよ~と言われがちなのに、これによっていろいろ検討条件が変わっちゃうというポイントが
インターフェースです。
速さほしいからCameraLinkで・・・とか、
フレームグラバーボードは買いたくないからGigE Visionがいい・・・なんてお声を聴くこともありますが、
インターフェース関連の技術、日々進歩してきていまして、
固定概念にとらわれているのはもったいないな・・・ということもあります。
使用予定のハードウェアがすでにある、ほかのカメラとの関係でインターフェースを統一したい、など
如何ともしがたい条件以外は、ゼロから検討することをお勧めします。
検査仕様
- カメラの画素数、レンズなど検査対象を検出し、生産効率を下げないための必要十分条件を検討する
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データ量と転送距離
- 検討した必要十分条件を満たすためのデータ量を確認
- 物理的な機器間の距離を測定
インターフェース
- 必要な速度、必要な距離を転送可能なインターフェースを選ぶ
- 複数該当するときは予算/信頼性などを加味する
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フレームグラバー
- 必要に応じてフレームグラバーを選定
- 使用する画像処理ソフトに対応しているメーカーのものから選ぶと、後が楽
こんな感じで選定を進めると、カメラの仕様や転送距離の関係で、
インターフェースの段階まで来ると選択肢が1つか2つに絞られていることが多いです。
結構お聞きするのが選定順序を逆から進んでくるパターン。逆走してるよ~って感じですね。
大体において画像処理ソフトの実績や接続可能機器から選定してきていらっしゃるのですが、
技術的にはできるのに、逆走しているがために対応可能な機器を
最初の選択肢から外してしまっているケースもお見受けします。
画像ができれば画像処理ソフトへの読込方法はいくつかあることが多いので、
ひとまず撮像機器を先に選定することをお勧めします。
TechViewの操作感を体感しよう! ハンズオンセミナー開催
今回選んでいただいたラインスキャンカメラとも、もちろんつながります!
NEDが現場の困りごとを丸っと解決しよう!というコンセプトで開発したTechView。
実際にお試しソフトを配布して行う、ハンズオンセミナーを開催しています。
2月開催分はデモ画面をご覧いただくだけですが、
3~5月のセミナーはハンズオンセミナーで、実際に触っていただく内容を予定しております。
ご興味ある方はぜひご参加ください♪
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TechViewでの検査フロー
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日程:2/16 13:30~14:30
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TechView(初級編)
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TechView導入初期のお客様
日程:3/16 13:00~15:00
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【ハンズオンセミナー】
これからはプログラミングレス!
誰でも使える画像処理ツール
TechView(中級編)
・判定前の前処理
・マスク処理
・パラメータの切替
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対象:画像処理ソフトをお探しの方
TechView導入初期のお客様
日程:4/20 13:00~15:00

【ハンズオンセミナー】
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TechView(上級編)
・スタティックサブセットについて
・共有バッファによるやり取りについて
・スタティックサブセット関連のノード
・パネルビューの使い方
対象:TechViewの現場運用検討中の方
日程:5/25 13:00~15:00
検査仕様
NED 営業小ネタ
バレンタインが近づいてきましたね。
チョコレートは大好きなのですが、とても良いものをいただいても「高そうなお味・・・」くらいしかわからない
残念な舌の持ち主なので、いつも大手お菓子メーカー様にお世話になっています。
安くておいしいって最高ですよね~。
この間営業が某メーカー様のチョコレートの検査を行っておりました。
チョコレートはショコラティエのテンパリング技術が注目されるくらい、温度に敏感な食材です。
工場内は当然管理されていますが、これまた当然ですが1℃前後は変動があり、
そしてその1℃でチョコレートの表面って変わってしまうらしいのです・・・。
なんて繊細なんだ・・・。
そのためカメラで撮ると、輝度値が全然一定にならず、
ルールベースの画像処理だとどう頑張ってもNG判定できない!
ということで、そういうときこそAIの出番です。
まさにお手本のようなAI使用例だ!と社内で盛り上がりました。
きれいにNG判定してくれて、やっぱり使うべきところではAI活躍するよなぁ・・・と実感しました。
人の目で見たらわかるんだけど、写真で見ると変わっちゃうんだよね~といった製品がありましたら、
AI検討有効かと思いますので、ぜひ一度お試しください。